(第2055報)
   平成16年度 第8報
(平成16年5月13日〜5月19日)【旧暦:3月25日〜4月1日/月齢:23.6〜29.6/潮汐:長潮〜大潮】
今週の特徴
海況:黒潮北縁域は,前週より接岸し屋久島の北端付近にある。各海域の表面水温は,甑海峡で平年並みとなったが,鹿児島湾内から奄美海域にかけて“やや高め”〜“かなり高め”となっている。
漁況:まき網では,馬毛島・種子島海域でゴマサバが好調。バッチ網漁業は,西薩海域でカエリ主体に,志布志湾でカエリ混じりで好調。トビウオロープ曳きでトビウオ中・小主体に好漁。甑海域でキビナゴ漁が上向き。
※海   況
  定期客船観測による表面水温
  実測値 前週比較 平年比較 評  価
鹿児島 21.14 1.16 0.78 やや高め
竹島沖 24.58 2.33 2.18 かなり高め
屋久島 26.16 1.16 2.68 かなり高め
黒 潮 26.32 0.41 0.95 かなり高め
与路島 23.91 0.77 0.55 やや高め
甑海峡 20.80 1.00 0.46 平年並み
   
 
 
 
 
 
 
      (甑航路フェリーは5/19現在)
黒潮北縁域の変動
 5月11日に屋久島の南4.7マイルにあった黒潮北縁域は,5月19日現在,屋久島の北端付近にある。
 定期客船観測による各海域の表面水温は,黒潮の接岸により全般的に昇温し,平年と比較すると全般的に高い傾向にある。特に竹島から屋久島海域で前週より1〜2℃昇温し,平年より“かなり高め”となっている。
 甑航路フェリ-観測による甑海峡中央部の表面水温は,5月19日現在,前週から1℃昇温し,平年比較では,“平年並み”となった。
※漁   況
漁場図
集計表
〇ま き 網
 阿久根港入港船は週計で大型船2統が牛深沖でイサキを20.7トン/統・日,中型船18統が長島・甑東沖でイサキ,マアジ大・小主体に4.2トン/統・日の水揚げ。
 枕崎港入港船は大型船1統が馬毛島・佐多沖でマアジ豆主体に14.9トン/統・日,中型船12統が馬毛島・種子島東沖でゴマサバ中,オアカムロ主体に22.1トン/統・日と好漁。
 内之浦港,山川港入港船はなし。
〇定 置 網
 甑海域では,日によってブリ(6〜8kg)が1,000本程度入網したものの全般的に低調。
 西薩南部海域では,日によってマアジ(200〜400g)が0.5〜1トン/日,ウルメイワシが0.6〜1トン/日,トビウオ(200g)が300kg/日の入網。
 鹿児島湾口部薩摩半島側では,日によってマアジ(200〜300g)が500kg/日,イサキ(500〜700g主体)が400kg/日,ヒラマサ(3〜4kg)が10本/日の入網したものの全般的に低調。
 鹿児島湾口部大隅半島側では,週計でマルアジ(100〜300g)が2トン,ブリ(6〜8kg)が220本,カンパチ(2kg主体)が150本の入網。
 大隅半島東部海域では,週計で55統がマアジ中主体に26.9トンの入網。
 志布志湾では,日によってマアジ0.4〜2.4トンの入網。
〇その他の漁業
・バッチ網(シラス)
 西薩海域では,カエリ主体を生で1〜5トン/統・日と好漁。
 志布志湾では,日によって生で2トン/統・日と好漁。カエリが混じる。
・キビナゴ刺網
 甑海域では20箱/隻・日と好調。
 鹿児島湾口部大隅半島では,1〜2箱/隻・日と低調。
・ごち網
 西薩海域の一部でマダイ(3〜5kg)が20〜30kg/隻・日,ヘダイ(1kg)が200〜300kg/隻・日の漁。
・棒 受 網
 北薩海域では,週計で86隻がウルメイワシを11.3トン,カタクチイワシを11.3トン,サバ類仔を8.8トンの漁。大隅東部海域では,週計で6隻がウルメイワシ,カタクチイワシを主体に2.7トンの漁。
・トビウオロ-プ曳
 熊毛海域では,トビウオ中を140〜150箱/統・日,トビウオ小を70〜90箱/統・日と好漁。
・ゴマサバ一本釣
 熊毛海域では,700〜800gを主体に30〜50尾/隻・日の水揚げ。
・ソデイカ旗流し
 奄美南部海域では旗流しによるソデイカ(15〜16kg)を2日操業で20尾/隻とまずまずの水揚。
・一本釣他
 奄美海域では週計で一本釣延べ10隻がカツオ(1kg強)を6.7トン,キハダ(2kg主体)を4.2トンの水揚げ。