(第2076報)
   平成16年度 第29報
(平成16年10月14〜10月20日)【旧暦:9月1〜7日/月齢:0.0〜6.0/潮汐:大潮〜小潮】
 
今週の特徴
海況:黒潮北縁域は,10月14日現在,屋久島の南6.0マイル付近にある。各海域の表面水温は,屋久島海域を除いて前週より降温し,平年比較では鹿児島湾で“やや高め”,その他の海域は“やや低め〜著しく低め”となっている。
漁況:甑海域でブリ飼付け漁が好調。西薩海域及び志布志湾海域でバッチ網が好調。
 
※海   況
  定期客船観測(10/14〜15)による表面水温
  実測値 前週比較 平年比較 評  価
鹿児島 24.60 −0.30 +0.50 やや高め
竹島沖 25.00 −0.15 −0.88 かなり低め
屋久島 25.40 +0.10 −0.86 やや低め
黒 潮 26.20 −0.30 −0.68 やや低め
与路島 欠測   −   −   −
甑海峡 22.20 −1.90 −2.31 著しく低め
     (甑航路フェリ−は10/21現在)
黒潮北縁域の変動
 10月12日に平瀬の南2.0マイル付近にあった黒潮北縁域は,その後北上し,10月14日現在,屋久島の南6.0マイル付近にある。
 定期客船観測による各海域の表面水温は,
14〜15日現在,屋久島海域を除いて前週より降温し,平年比較では鹿児島湾で“やや高め”,その他の海域は“やや低め〜著しく低め”となっている。
 甑航路フェリ-観測による甑海峡中央部の表面水温は,21日現在,前週より降温し,平年比較では“著しく低め”となっている。
 
※漁   況
漁場図
集計表
 台風の影響等により,全般に低調な漁模様であった。
〇ま き 網
 阿久根港入港船は,中型船5統が甑東・串木野〜長島沖でサバ類小,マアジ中・仔,カタクチイワシ他を1.5トン/統・日と低調。
 枕崎港入港船は,大型船2統が湯瀬・宇治でオアカムロ主体に24.2トン/統・日とまずまずの漁。中型船11統が湯瀬・内之浦沖・枕崎沖・開聞沖他でオアカムロ,ゴマサバ豆,マアジ中他を9.5トン/統・日とまずまずの漁。
 内之浦港入港船は,中型船1統がチダイ,サバ類中他を3.8トンと低調。
 山川港は入港船なし。
〇定 置 網
 西薩南部海域では,サワラ(400g前後)が3統で多い日で2.0トン/日,マアジ豆が1〜2トン/日,カンパチ(3kg前後)が多いところで50〜60尾/日など低調。
 鹿児島湾口部薩摩半島側では,多いところでカンパチ(2.8〜3.5kg)が130尾/日,ウスバハギ(0.8〜1.5kg)が300kg/日,サバ類(200〜
400g)が500kg/日など低調。
 大隅半島東部海域では,週計で延べ35統がカマス,マアジ豆他が18.1トンの入網。
〇その他の漁業
・棒 受 網
 北薩海域では,週計で延べ37隻がサワラ,マアジ仔他を24.2トンと低調。大隅海域では,週計で延べ1隻がサバ類中,ウルメイワシ主体に1.8トンの漁。
・バッチ網
 西薩海域では,多い船でシラスを生で4.0〜5.0トン/日と引き続き好調。志布志湾では,5日分で製品で0.8トン/統と引き続き好調。
・キビナゴ刺網
 甑海域では,週計で延べ61隻が5.1トンと低調。熊毛海域では多い船で10箱/日と低調。
・ブリ飼付け漁
 甑海域では,1統で4kg前後のサイズを250〜340尾/日と好調な出だし。鹿児島湾口部では,3.7kg前後のサイズを多いところで300〜400尾箱/日とまずまずの漁。
・バショウカジキ情報
 定置は,鹿児島湾口部薩摩半島側では22〜
31kgサイズが多いところで1〜2尾/日,鹿児島湾口部大隅半島側でも20〜30kgサイズが2統の週計で15尾と低調。流刺網は,甑海域では25〜35kgサイズを多い船で4尾/日,鹿児島湾口部大隅半島側でも20〜30kgサイズを多い船で2尾/日と低調。全般に低調で,本格的な漁には至っていない。