(第2012報)
  平成15年度 第13報
(平成15年6月19日〜6月25日)【旧暦:5/20〜5/26,月齢:18.9〜24.9,潮汐:中潮〜若潮】
 今週の特徴
海況:黒潮北縁は中之島南12マイル付近と離岸傾向が続いている。表面水温は黒潮流域でかなり低め,他の海域は平年並み。
漁況:鹿児島湾口周辺海域や熊毛海域では,まき網,はえ縄及び一本釣でゴマサバが引続   き好調。枕崎沖〜甑周辺では,一本釣でカツオが好漁。定置網は台風で網揚げをした海域もあり全般的に低調。

※ 海 況
 定期客船観測(6/24〜6/25)による表面水温   
  実測値 前週比較 平年比較  評 価
谷山沖 24.36  +0.86  +0.25 平年並み
竹島沖 24.52  +0.00  -0.45 平年並み
屋久島 24.77  -0.84     
黒 潮 26.43  -0.42  -1.24 かなり低め
与路島 25.28  -0.22  -0.06 平年並み
甑海峡 23.90  +0.20  +0.17 平年並み
 (甑航路は6/25現在)
黒潮北縁域の変動
 6月16日に中之島の南20マイル付近にあった黒潮北縁域は,一時的に屋久島南まで北上したものの,その後再び南下し24日現在,中之島の南 12マイルにある。
 定期客船観測による各海域の表面水温は,6月24日現在,前週との比較では,谷山沖が昇温,屋久島御崎沖,黒潮流域,与路島沖は降温となった。平年との比較では,黒潮流域が“かなり低め”,他の海域は“平年並み”となった。
 甑航路フェリ−観測による甑海峡中央部の表面水温は,6月25日現在,前週より昇温し,平年との比較では“平年並み”となっている。

※ 漁 況
漁場図
集計表
 今週は前半の台風と時化のため,全般的に低調な漁となった。
〇まき網
 阿久根港入港船は,大型船延べ2統が牛深沖でマアジ小・豆・仔主体,串木野沖でマアジ仔主体に4.2トン/統・日の漁。中型船延べ12統が長島沖でカタクチ主体に,串木野沖,甑東沖でマルアジ小・豆,マアジ小・仔主体に4.3トン/統・日の漁。
 枕崎港入港船は,大型船延べ1統が宇治沖でゴマサバ中主体に39.8トン/統・日の漁。中型船延べ8統が佐多沖でゴマサバ小主体に,マルアジ,マアジ豆混じりを,馬毛島沖でゴマサバ小・中主体 を21.4トン/統・日の漁。
〇定置網
 西薩南部海域では,マルソウダ(500g)が1〜2トン/日,シイラ(3〜4kg)が1〜3トン/日,イサキ(600g)が100〜200kg/日の入網。
 鹿児島湾口部薩摩半島では,25日のみの操業でハガツオ(1.5〜2.0kg)を400kg,大隅半島側ではマルソウダ(400〜600g)を500kg/日,カンパチ(2〜3kg)を週計で90kg。志布志湾南部では,週計でタチウオを11.6トン,ハガツオ (300g)を3.6トン,マアジ(100g前後)を1.4トンの入網。
 大隅半島東岸では,週計で延べ50統でソウダカツオ,ハガツオ,ウルメイワシ,カマス,マアジ中・豆を主体に87.5トンの入網。  
〇その他の漁業
・棒受網
 北薩海域では,週計で延べ107隻でウルメイワシ,カタクチイワシ主体に73.6トンの漁。
 大隅東部海域では,週計で延べ4隻でウルメイワシ主体に9.1トンの漁。
・キビナゴ刺網
 甑島で5箱/隻・日,西薩南部で5箱/隻・日,大隅南部海域で1箱〜2箱/隻・日と低調な漁。・バッチ網
 西薩・志布志湾ではまとまった漁がなかった。
・吾智網
 西薩海域では,マダイ(1〜2kg)を5〜10kg/隻,チダイ(200g)を10kg/隻と全般的に低調。
・トビウオロープ曳
 熊毛海域でトビウオ(中2割,小6割)を 950箱/日と低調な漁。
・一本釣他
 西薩海域では,かご漁業でサバフグ(100〜200g)を40kg/隻・日と低調な漁。
 鹿児島湾口海域では,ゴマサバ(0.3〜1kg)を一本釣で20〜30kg/隻,延縄で50〜100kg/隻と好調な漁。枕崎沖〜甑周辺では,カツオ一本釣船がカツオ(1〜7kg)を2.7トン/隻・日と好調な漁。
 熊毛海域では,ゴマサバ(0.4〜0.9kg)を一本釣で40kg/隻と好調な漁。
 奄美海域では,一本釣が延べ10隻でカツオ(2 kg)主体に週計で7.2トンの漁。マグロ旗流漁業延べ1隻でキハダ(30kg)主体で0.3トンの漁。ソデイカ旗流漁業でソデイカ(15〜20kg)を2日操業で7本/隻・日と低調な漁。