(第2009報)
平成15年度 第10報
(平成15年5月29日〜6月4日)【旧暦:4/29〜5/5,月齢:27.6〜3.9,潮汐:大潮〜中潮】
今週の特徴
海況:黒潮北縁はさらに北上し佐多岬付近にある。黒潮系暖水の波及により,竹島〜鹿児島湾内は2℃以上昇温した。
漁況:まき網は薩南海域でゴマサバが好漁。まき網・棒受網は北薩海域でカタクチイワシが好漁。キビナゴ刺網は甑海域・西薩南部海域で好漁。吾智網は西薩海域でマダイが上向き。バッチ網・トビウオロ−プ曳は低調。
※ 海 況
定期客船観測(6/3〜6/4)による表面水温
実測値
前週比較
平年比較
評 価
谷山沖
23.60
+2.50
+1.98
やや高め
竹島沖
25.60
+2.30
+2.18
やや高め
屋久島
25.60
+0.00
黒 潮
26.30
+0.30
-0.05
平年並み
与路島
23.80
-0.50
-0.67
やや低め
甑海峡
23.90
-0.90
+1.81
かなり高め
(甑航路は6/5現在)
黒潮北縁域の変動
5月28日に竹島南8.2マイル付近にあった黒潮北縁は,さらに北上し6月4日現在,佐多岬付近ににある。
定期客船観測による各海域の表面水温は,6月4日現在,黒潮系暖水の波及により,竹島〜鹿児島湾内で2℃以上昇温した。与路島沖では前週より降温となっている。
平年との比較では,黒潮流域で“平年並み”,竹島・谷山沖で“やや高め”,与路島で“やや低め”となっている。
甑航路フェリー観測による甑海峡中央部の表面水温は,6月5日現在,前週より1℃近く降温し“やや高め”となっている。
※ 漁 況
漁場図
集計表
〇まき網
阿久根港入港船は,大型船延べ5統が牛深沖・阿久根沖でカタクチイワシ,マアジ小・豆を主体に5.6/統・日の漁。中型船延べ17統が長島沖,串木野沖,川内沖でカタクチイワシ,マルアジ小・豆を主体に7.0トン/統・日の漁。
枕崎港入港船は,中型船延べ9統が佐多沖でゴマサバ小,マルアジを主体に 25.3トン/統 ・日の漁。大型船の入港なし。
〇定置網
西薩南部海域では,1日にブリ(5kg)が 700本の他,マアジ仔が3日に6トン,4日に4トン,イサキ(400〜500g)が週計で1.6トンの入網。
志布志湾南部では,週計でマアジ(90g)主体にチダイ(150g)を22トンの入漁。
大隅半島東岸では,延べ29統でマアジ中主体にチダイ,カタクチイワシ,ウルメイワシを週計で64.3トンの入網。
〇その他の漁業
・棒受網
北薩海域では,延べ76隻でカタクチイワシ主体にウルメイワシ,キビナゴを週計95.6トンの漁。
大隅東部海域では,延べ6隻でウルメイワシ主体にカタクチイワシを週計で3.9トンの漁。
・キビナゴ刺網
甑島で12箱〜15箱/隻・日,西薩南部で20〜30箱/隻・日,大隅南部海域で7箱〜8箱/隻・日と甑海域,西薩南部海域で好漁。
・バッチ網
西薩海域及び志布志湾ではまとまった漁がなかった。
・吾智網
西薩海域では,一部の海域でマダイ(1〜2kg)を50kg/隻・日と好調,その他の海域ではマダイ主体にチダイ含めて30〜40kg/日の漁。
・トビウオロープ曳
熊毛海域では,屋久島で中トビウオ主体に,2日間の操業で1000〜1300箱と低調な漁。
種子島で中小トビウオ半々で10〜20箱/隻・日と低調な漁。
・一本釣他
薩南海域では,一本釣でゴマサバ(300〜 400g)を10〜15kg/隻・日の漁。イサキ(0.4 〜1.2kg)を7〜15kg/隻と好調な漁。
熊毛海域では,一本釣でゴマサバ(500〜900g)を30kg/隻とまずまずの漁。
奄美海域では,一本釣が延べ4隻でカツオ(1.5〜6kg)・キハダ(3〜4kg),メバチ(5〜6kg)を週計で16.5トンの漁。マグロ旗流漁業延べ4隻でキハダ(10〜30kg)を500kg,シイラ(5〜10kg)を500kgの漁。ソデイカ旗流漁業で15〜17kgを日帰操業で2〜5尾/隻・日と低調。