調査期間:平成22年3月2〜13日鹿児島県水産技術開発センター
調査船:おおすみ 63t平成22年3月17日発行
調査海域:西薩,南薩,屋久島,種子島,大隅
【海 況】・・・“平年並み”〜“やや高め”
・黒潮北縁域は,3月4日には竹島の南4マイル付近にあり,接岸傾向であったが,その後急激に南下し,3月13日現在,中之島の南4マイル付近にある。
・定期船観測による3月上旬の各海域の平均水温は,黒潮流域で22.58℃(やや高め),薩南海域で20.00℃(平年並み),西薩海域で18.18(やや高め)であった。
※1 平年値は,昭和56年から平成12年までの平均値。
【調査結果】
(1)流れ藻の分布・・・・・・ 昨年同期・平年同期より多い
・流れ藻の視認個数は4.5個/10マイルで,昨年同期(0.6個/10マイル)より多い。また,平年同期(3.3個/10マイル)より多い。
・流れ藻は特定の海域にかたまって分布しており,特に宇治南東,種子島南,大隅海峡で多かった。甑西ではクズ藻が多かった。甑海峡,黒島南西〜口之島〜屋久島南,種子島東にはほとんどなかった。
・全般にクズ藻が多いが,採取した流れ藻重量は1.4〜14.7kg(平均6.2kg)で,昨年同期(2.3〜8.0kg(平均4.7kg))より大型である。
(2)モジャコの付着状況・・・昨年同期・平年同期より多い
・流れ藻1kg当たりの付着尾数は10.3尾で,昨年同期(8.0尾)より多い。また,平年同期(6.6尾)より多い。
・海域別では,大隅海域が22.0尾/kg,種子島海域が16.9尾/kgと多かった。宇治南東では14.3尾/kgの藻があった。
・モジャコ以外の雑魚ではマアジが多く,そのほかカンパチ,メジナ,イスズミ等であった。
(3)モジャコの大きさ・・・昨年同期・平年同期より小型
・採捕したモジャコの全長は平均39.7mm(範囲:16〜90mm,モード:30〜34mm)で,昨年同期(40.2mm)より小型である。また,平年同期(41.1mm)より小型である。
※2 平年とは平成12年から平成21年までの3月の平均値。