(第2108報)
   平成17年度 第10報
(平成17年6月9〜6月15日)【旧暦:5月3〜5月9日/月齢:25.8〜2.2/潮汐:中潮〜小潮】
今週の特徴
海況:黒潮北縁域は竹島南まで接岸した後,中之島付近まで南下するなど大きく変動。 表面水温は竹島,屋久島御崎で急激に昇温,黒潮流域,竹島“やや高め”,屋久島御崎で“やや高め”与路島で“かなり低め”,他海域で“平年並み”となった。
漁況:ゴマサバは,まき網が大隅東部・西薩南部・北薩海域で豆(300g)主体に好調。バッチ網漁業は,西薩海域でシラス・カエリ主体に好調。北薩海域で棒受網漁業のウルメイワシ漁は低調。
  定期客船観測(6/15〜6/16)による表面水温℃
  実測値 前週比較 平年比較 評  価
鹿児島 23.00 +0.50 +0.11 平年並み
竹島沖 25.70 +4.80 +1.35 やや高め
屋久島 25.50 +1.10 +0.37 平年並み
黒 潮 27.40 +1.70 +0.47 やや高め
与路島 23.75 +0.35 -1.17 かなり低め
甑海峡 22.60 +1.60 -0.36 平年並み
 鹿児島−那覇定期客船観測は(6/15〜6/16)     
 串木野−甑島定期客船観測は(6/15)
 
※海   況
黒潮北縁域
 6月8日に屋久島御崎南9マイル付近にあった黒潮北縁域は,10日に竹島南9マイルまで北上した後,
中之島付近まで大きく離岸し,14日現在,平瀬の北9マイルにある。衛星画像によると屋久島北に,黒潮系暖水塊が残っているが,黒潮北縁域が屋久島南に離岸しているので,暖水塊は徐々に弱まっていく見込み。 
 定期客船観測による各海域の表面水温は,6月14日〜15日現在,前週比較では,黒潮の暖水波及の強い影響を受けた竹島,屋久島で  「+1.1〜+4.8℃」と急激に昇温し,他の海域では「+0.4〜+1.7℃」であった。平年比較では,黒潮流域で“やや高め”,竹島で“やや高め”,与路島で“かなり低め”,他の海域では”平年並み”となった。
※漁   況
漁場図
集計表
〇ま き 網
 阿久根港入港船は,大型船9統が野間池,甑東でサバ類小・マアジ小主体に13.9トン/統・日。 中型船19統が長島,阿久根,甑東でサバ類小,マアジ小主体に10.1トン/統・日と好調。
 枕崎港入港船は,大型船4統が野間池,内之浦でゴマサバ豆を62.2トン/統・日と好調。中型船13統が内之浦,野間池,馬毛島でゴマサバ豆,マアジ小主体に56.7トン/統・日と好調。
 山川港は,1統がサバ類小を4.2トン。
 内之浦港は入港船なし。
〇定 置 網
 西薩南部海域では,トビウオ(100〜200g)が250kg/日,10日にウルメイワシが1.5トン,13日にイサキ(300〜400g)が1.3トン,ブリ(7〜8kg)が40尾,14日にクロマグロ(171kg)が1尾,クロマグロ(35kg)が1尾,15日にブリ(5〜6kg)が70尾と好調。 
 鹿児島湾口薩摩半島側では,ハガツオ(300〜 400g)が1.5トン/日,マアジ仔が1トン/日,サバ類仔が1トン/日と低調。
 鹿児島湾口大隅半島側では,週計でカマス(200g)が120kg,ゴマサバ(300〜600g)が60kg,サワラ (20kg)が5尾と低調。
 大隅半島東部海域では,週計で50統がマアジ小,カタクチイワシ,ウルメイワシ主体に110.3トンと好調。
〇その他の漁業
・棒 受 網
 北薩海域では,週計98隻がカタクチイワシ,キビナゴ,ウルメイワシ主体に55.2トンと低調。大隅東部海域では,週計3隻がウルメイワシ主体に1.1トンとまずまずの漁。
・キビナゴ刺網
 甑海域では14箱/隻・日と低調,西薩南部海域では20箱/隻・日と好調,鹿児島湾口大隅半島側では4箱/隻・日と低調。
・フグ篭
 北西薩海域では,サバフグ(300g)を50〜80kg/隻・日と低調。
・バッチ網
 西薩海域では,シラス・カエリ主体に1〜5トン/統・日と好調。
・トサカ漁
大隅半島南部海域で200kg/人・日と好調。
・トビウオロープ曳
 熊毛海域では,セミトビを71箱/統・日と低調。
・一本釣り他
 ゴマサバ一本釣は,熊毛海域で黒潮暖水波及の影響により漁なし。
・カツオ竿釣
 奄美海域では,週計小型竿釣船6隻がカツオ(1〜2.5s)を2.5トン,キハダ(1〜5kg)を3.0トン,ダルマ(5kg)を0.9トンと低調。
・ソデイカ旗流釣
 奄美南部海域では,与論近海で15〜20sサイズを5ハイ/隻・日と低調。