2013.8.28
八代海
[1] 8月27日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
全調査点において着色域は確認されませんでした。
有害種については,薄井,獅子島〜水俣の中央及び出水沖の表層と,脇崎と元ノ尻瀬戸の0〜10m層の柱状採水を濃縮(1000倍)して検鏡したところ,4ヶ所でシャットネラ属がみられ,最高0.040cells/ml確認しました。
また,通常検鏡でシャットネラ マリーナを5ヶ所で各1cell/ml確認しました。
なお,コクロディニウムは確認されませんでした。
珪藻類については,調査全域でほとんどない状況でした。
※数字はシャトネラ属の,( )数字はコクロディニウムの細胞数(cells/ml)
〈濃縮検鏡1000倍〉
薄井(表層) 0.008(0.000)
獅子島〜水俣中央(表層) 0.033(0.000)
出水沖(表層) 0.040(0.000)
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000(0.000)
脇崎柱状採水 0.033(0.000)
(通常検鏡)
シャットネラ マリーナ(0m,5m10m)
元ノ尻瀬戸 (1,0,0)
柏栗 (1,0,0)
弊串 (0,1,1)
獅子島〜出水中央 (1,0,0)
南部中央 (1,0,0)
(2) 海 況
表層水温は八代海全域で26.8〜27.5℃で平年同時期並み,塩分は32.9〜33.9で平年同時期よりやや高め,透明度は6.5 〜15.0mで平年同時期より高めとなっています。
[表層水温平均]
27.1℃ 平年比-0.4℃ 平年並み
[表層塩分平均]
33.6 平年比+2.3 やや高め
[表層DO平均]
6.2mg/l 平年比-0.5mg/l やや低め
[透明度平均]
11.7m 平年比+3.7m 高め
※平年値はH1〜H24年の8月下旬の平均値
[2] 今後の赤潮発生の予想
今回の調査では,濃縮検鏡でシャットネラ属が最高0.040cells/ml確認されたほか,通常検鏡でもシャットネラ マリーナが5ヶ所で各1cell/ml確認されるなど,本種が広範囲に分布している状況です。
現在,競合する珪藻類がほとんどない状況であり,今後の環境の変化によっては,有害種が増殖する可能性がありますので注意が必要です。
今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。