2013.8.14

八代海

[1] 8月13日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 全調査点において着色域は確認されませんでした。
 有害種については,薄井,獅子島〜水俣の中央及び出水沖の表層,脇崎と元ノ尻瀬戸の0〜10m層の柱状採水のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャットネラ属を最高0.024cells/ml,コクロディニウムを最高0.002cells/ml確認しました。
 また,通常検鏡でシャットネラ アンティーカとシャットネラ マリーナを各1cell/ml,ヘテロシグマ アカシオを2ヶ所で各1cell/ml確認しました。
 珪藻類については,調査海域北部でやや多い他は,やや少ない状況でした。

数字はシャトネラ属の( )数字はコクロディニウムの細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
薄井(表層) 0.002(0.000)
獅子島〜水俣中央(表層) 0.000(0.002)
出水沖(表層) 0.024(0.002)
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000(0.000)
脇崎柱状採水 0.011(0.000)
(通常検鏡)
シャットネラ アンティーカ
獅子島〜水俣中央(10m層) 1
シャットネラ マリーナ
南部中央(5m層) 1
ヘテロシグマ アカシオ
元ノ尻瀬戸(表層) 1
南部中央(表層) 1

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で27.2〜29.4℃で平年同時期よりやや高め,塩分は32.6〜34.0で平年同時期より高め,透明度は7.0 〜12.0mで平年同時期並みとなっています。

[表層水温平均]
28.3℃ 平年比+0.9℃ やや高め
[表層塩分平均]
33.4  平年比+2.8 高め
[表層DO平均]
6.8mg/l   平年比-0.5mg/l やや低め
[透明度平均]
8.8m 平年比+0.3m 平年並み
※平年値はH1〜H24年の8月上旬の平均値

[2] 今後の赤潮発生の予想
 今回の調査では,濃縮検鏡でシャットネラ属が最高0.024cells/ml,コクロディニウムが最高0.002cells/ml確認されたほか,通常検鏡でもシャットネラ属(アンティーカとマリーナ)が2ヶ所で各1cell/ml確認されており,やや増加の傾向がみられます。
 現在,競合する珪藻類がやや少ない状況であり,今後の環境の変化によっては,有害種が増殖する可能性がありますので注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。



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