2013.7.31

八代海

[1] 7月30日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
  全調査点において着色域は確認されませんでした。
 有害種については,薄井,獅子島〜水俣の中央及び出水沖の表層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,元ノ尻瀬戸)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャットネラ属を最高0.033cells/ml確認しました。なおコクロディニウムは確認されませんでした。
 ほか,繊毛虫のミリオネクタ ルブラを出水沖表層で204cells/ml確認しました。
 珪藻類については,調査全域でほとんどない状況でした。

数字はシャトネラ属の( )数字はコクロディニウムの細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
薄井(表層) 0.000(0.000)
獅子島〜水俣中央(表層) 0.002(0.000)
出水沖(表層) 0.033(0.000)
 ※シャットネラ属は全てマリーナ型又はオバータ型
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000(0.000)
脇崎柱状採水 0.000(0.000)

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で24.5〜26.7℃で平年同時期よりやや低め,塩分は30.0〜33.3で平年同時期より高め,透明度は6.0 〜13.0mで平年同時期より高めとなっています。

[表層水温平均]
25.4℃ 平年比-1.2℃ やや低め
[表層塩分平均]
32.8  平年比+2.8 高め
[表層DO平均]
6.2mg/l   平年比-1.2mg/l やや低め
[透明度平均]
10.9m 平年比+2.9m 高め
※平年値はH1〜H24年の7月の平均値

[2] 今後の赤潮発生の予想
 今回の調査では,濃縮検鏡でシャットネラ属が最高0.033cells/mlと,これまでよりやや多く確認されました。なおシャットネラ属が最高値を示した出水沖表層では,繊毛虫のミリオネクタ ルブラが204cells/ml確認されています。
 現在,競合する珪藻類がほとんどない状況であり,今後の降雨等による環境の変化によっては,有害種が増殖する可能性がありますので注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。



トップへ
戻る