2013.7.17
八代海
[1] 7月16日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
全調査点において着色域は確認されませんでした。
有害種については,薄井,獅子島〜水俣の中央及び出水沖の表層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,元ノ尻瀬戸)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャットネラ属とコクロディニウムは確認されませんでした。なお通常検鏡で,コクロディニウムを1ヶ所で,ヘテロシグマ アカシオを2ヶ所で各1cell/ml確認しました。
珪藻類については,全体的に少ない状況でした。
※数字はシャトネラ属の( )数字はコクロディニウムの細胞数(cells/ml)
〈濃縮検鏡1000倍〉
薄井(表層) 0.000(0.000)
獅子島〜水俣中央(表層) 0.000(0.000)
出水沖(表層) 0.000(0.000)
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000(0.000)
脇崎柱状採水 0.000(0.000)
(通常検鏡)
コクロディニウム ポリクリコイデス
弊串表層 1
ヘテロシグマ アカシオ
獅子島〜水俣の中央 5m層 1
水俣沖 10m層 1
(2) 海 況
表層水温は八代海全域で25.3〜28.7℃で平年同時期よりやや高め,塩分は32.2〜33.3で平年同時期より高め,透明度は8.0 〜12.0mで平年同時期よりやや高めとなっています。
[表層水温平均]
27.3℃ 平年比+0.7℃ やや高め
[表層塩分平均]
32.9 平年比+2.9 高め
[表層DO平均]
7.1mg/l 平年比-0.3mg/l 平年並み
[透明度平均]
10.0m 平年比+2.0m やや高め
※平年値はH1〜H24年の7月の平均値
[2] 今後の赤潮発生の予想
今回の調査では,濃縮検鏡でシャットネラ属とコクロディニウムは確認されませんでしたが,通常検鏡でコクロディニウムとヘテロシグマが確認されています。現在,競合する珪藻類が少ない状況であり,今後の降雨等による環境の変化によっては,有害種が増殖する可能性がありますので注意が必要です。
今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。