2013.7.14シグモイデス
鹿児島湾
[1]7月13日の調査結果
本日,垂水市漁協管内を調査したところ,垂水市漁協前に着色が見られ,渦鞭毛藻類のプロロセントラム シグモイデスを表層で513cells/mll確認しました。ほか,荷揚場前や桜島口付近などの沿岸部では本種を最高227cells/ml確認しましたが,沖合の養殖漁場付近では最高でも53cells/mlと,沿岸部より少ない状況でした。
また,珪藻類は全体的に非常に多い状況でした。
※数字はプロロセントラム シグモイデスの0,5,10m層での細胞数合計(cells/ml)
垂水市漁協前 513,-,-
漁協荷揚場前沖 227,208,101
浮き桟橋付近 5,174,60
桜島口付近 61,121,6
江ノ島沖の潮目付近 7,13,10
海潟漁場の水質観測システム筏付近 10,53,20
表層水温 29.22〜30.21℃
表層塩分 32.11〜32.77
表層DO 7.80〜8.86mg/l
10m層DO 8.05〜9.14mg/l
[2] 今後の赤潮発生の予想
プロロセントラム シグモイデスによる赤潮は,本県では鹿児島湾で過去に発生していますが,これまで漁業被害は報告されていません。本種による赤潮が形成された場合,夜間に行われる呼吸により酸素濃度が著しく低下し,貧酸素による被害が発生する可能性があるので注意が必要です。
競合種の珪藻類が全体的に多い状況ですので,本種が急激に増殖する可能性は低いですが,潮汐や風向によっては,プロロセントラム シグモイデスが蝟集して細胞密度が高くなる可能性もあるので,各漁協・養殖業者におかれましては,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行って,本種の細胞密度を把握し,溶存酸素など漁場環境の把握に努めるとともに,状況により餌止めを実施する等,十分な注意が必要です。