2013.6.5

八代海

[1] 6月4日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
  全調査点において着色域は確認されませんでした。
 有害種については,薄井の表層及び底層,獅子島〜水俣の中央及び出水沖の表層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,元ノ尻瀬戸)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャットネラ属を2ヶ所で各0.001cells/ml,コクロディニウムを3ヶ所で0.002〜0.008cells/ml確認しました。また水俣沖5m層の通常検鏡で,コクロディニウムを1cells/ml確認しました。カレニア ミキモトイは確認されませんでした。
 珪藻類については,全体的にやや多い状況でした。なお,調査海域の広い範囲でカレニア パピリオナセア(無害種)を1〜24cells/ml確認しました。

数字はシャトネラ属の( )数字はコクロディニウムの細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
薄井(表層) 0.000(0.000)
   (底層) 0.001(0.000)
獅子島〜水俣中央(表層) 0.000(0.000)
出水沖(表層) 0.000(0.003)
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000(0.002)
脇崎柱状採水 0.001(0.008)

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で20.8〜22.8℃で平年同時期より+0.7℃とやや高め,塩分は33.1〜33.9で平年よりやや高め,透明度は6.0〜12.0mで平年よりやや低めとなっています。

[表層水温平均]
21.7℃ 平年比+0.7℃ 平年よりやや高め
[表層塩分平均]
33.5  平年比+0.5 やや高め
[表層DO平均]
7.4   平年比-0.1 平年並み
[透明度平均]
8.4m 平年比-0.7m やや低め
※平年値はH13〜H24年の6月の平均値

[2] 今後の赤潮発生の予想 
 八代海において,シャットネラ属やコクロディニウムといった有害種は,5月17日から濃縮検鏡で確認されており,今回の調査でも細胞密度は低いものの両種が確認されています。現在,競合する珪藻類がやや多い状況となっていますが,環境の変化によっては有害種が増殖する可能性がありますので注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。



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