2012.9.5
八代海
[1] 9月4日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
全調査点において有害種による着色域は確認されませんでした。
有害種については,薄井,獅子島〜水俣の中央,獅子島〜出水の中央及び出水沖の表層,脇崎,元ノ尻瀬戸の0〜10m層(柱状採水)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャトネラ属を最高0.005cells/ml,コックロディニウムを0.006cells/ml確認しました。また出水沖では通常検鏡でコックロディニウムを0.67cells/ml確認しました。
珪藻類については,北部でやや多いほかは少ない状況でした。
※数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの0m層の細胞数(cells/ml)
〈濃縮検鏡1000倍〉
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.003(0.006)
脇崎柱状採水 0.004(0.000)
薄井 0.002(0.000)
獅子島〜出水の中央 0.005(0.000)
出水沖 0.001(0.000)
獅子島〜水俣の中央 0.000(0.000)
〈通常検鏡〉
出水沖 0.00(0.67)
(2) 海 況
表層水温は八代海全域で27.0〜28.2℃,塩分は30.8〜31.6でともに平年同時期並み,透明度は5.0〜13.5mで平年よりやや高めとなっています。
[表層水温平均]
27.4℃ 平年比-0.1℃ 平年並み
[表層塩分平均]
31.1 平年比-0.3 平年並み
[表層DO平均]
6.4mg/l 平年比-0.5mg/l 平年並み
[透明度平均]
9.4m 平年比+1.6m 平年よりやや高め
※平年値:H1〜H23年の9月の平均値
[2] 今後の赤潮発生の予想
今回の調査では,有害種のシャトネラ属とコックロディニウムが確認されました。水温,塩分はともに平年並みとなっています。現在は競合する珪藻類が北部でやや多いほかは少ない状況ですので,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。