2012.8.31
鹿児島湾
[1]8月30日の調査結果
(1) 貧酸素の状況
4.0mg/lを下回る貧酸素水塊は確認されませんでした。
※数字は水深0m,10m,15m,20m,25m,30m層での溶存酸素量(mg/L)
牛根麓 6.9,6.4,5.7,5.9,5.5,4.7
牛根境 6.9,6.5,6.1,5.6,5.1,4.6
福山沖 7.0,6.8,6.1,5.5,5.0,4.6
(2) 赤潮生物の出現状況
全体的に珪藻類は少ないかほとんどない状況でした。
また有害種は,セラチウム属が1〜5cells/ml確認されました。
ほか,プロロセントラム属(渦鞭毛藻類)が1〜162cells/ml確認されました(10m層に多い)。
(3) 海 況
表層水温は湾央部で27.3〜27.7℃,湾奥部で27.0〜27.8℃と平年同時期よりやや低め,また,塩分については25.3〜30.6で平年同時期よりやや低め,透明度は4.0〜9.0mで平年同時期よりやや低めとなっています。
[表層水温]
平均 27.4℃ 湾奥部 27.4℃ 湾央部 27.5℃ 平年(平均29.1℃)よりやや低め
[表層塩分]
平均 28.9 湾奥部 28.4 湾央部 30.2 平年(平均30.8)よりやや低め
[透明度]
平均 5.9m 湾奥部 6.3m 湾央部 5.3m 平年(平均6.8m)よりやや低め
(平年値は平成1〜23年の8月の平均値)
[2] 今後の貧酸素水塊の予想
今後,湾奥部においては表層水温が高く,成層が維持される状態となります。
そのため,表層水温の降下によって起こる鉛直循環が始まる10月下旬までは,中層付近で貧酸素水塊が発生,継続する可能性がありますので,注意が必要です。
(貧酸素水塊に関する注意事項)
・給餌の際,魚群が遊泳する と,貧酸素層 の水が表層まで浮き上がるおそれがあります。
・過去,溶存酸素が4.0mg/l を下回った状況での給餌で,へい死事故が発生した事例がありますので,注意が必要です。
・給餌の前には,必ず溶存酸素量を確認し,餌食いの状況を見て,無理な給餌を避けた方がよいでしょう。