2012.7.25

八代海

[1] 7月24日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 全調査点において有害種による着色域は確認されませんでした。
 有害種については,薄井,獅子島〜水俣の中央,獅子島〜出水の中央及び出水沖の表層,脇崎,元ノ尻瀬戸の0〜10m層(柱状採水)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャトネラ属を最高0.013cells/ml,コックロディニウムを最高0.017cells/ml確認しました。珪藻類については,全域で多い状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの0m層の細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.012(0.004)
脇崎柱状採水 0.005(0.002)
薄井 0.013(0.001)
獅子島〜出水の中央 0.009(0.000)
出水沖 0.000(0.017)
獅子島〜水俣の中央 0.001(0.002)

(2) 海 況
  表層水温は八代海全域で25.9〜27.1℃で平年同時期よりやや高め,塩分は23.8〜28.2,透明度は4.0〜6.0mでともに平年より低めとなっています。

[表層水温平均]
26.5℃ 平年比+0.6℃ 平年よりやや高め
[表層塩分平均]
26.0  平年比-4.5 平年より低め
[表層DO平均]
8.0mg/l   平年比+0.6mg/l 平年よりやや高め
[透明度平均]
5.5m 平年比-2.7m 平年より低め

※平年値:H1〜H23年の7月の平均値

[2] 今後の赤潮発生の予想 
 今回の調査では,有害種のシャトネラ属及びコックロディニウムが確認されました。水温は平年よりやや高め,これまでのまとまった降雨により,栄養塩が供給されたものと思われます。現在は競合する珪藻類が全域で多い状況ですが,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。


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