2012.7.18

鹿児島湾

[1]7月17日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 全域で有害種による着色域は確認されませんでした。
 有害種については,シャトネラ属が全域で1〜4cells/ml,ヘテロシグマ アカシオが3ヶ所で1〜3cells/ml,セラチウム属が全域で1〜9cells/ml確認されました。珪藻類は,湾奥部で少なく,湾央部で多い状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はヘテロシグマ アカシオの0,10m層での細胞数合計(cells/ml)

牛根麓 2,0
牛根境 0,3
福山沖 2,0
湾奥中央 0,0
桜島古河良沖 0,0
隼人沖 0,4
重富沖 0,1
竜ヶ水沖 0,1(3,0)
海潟沖 1,0
桜島観音崎沖 0,2(0,1)
永田川沖 1,1(0,1)

(2) 海 況
 表層水温は湾央部で27.6〜28.3℃,湾奥部で27.6〜28.6℃と平年同時期よりやや高め,まとまった降雨の影響で,塩分は17.2〜28.6で平年同時期より低め,透明度は3.0〜8.0mで平年同時期よりやや高めとなっています。

[表層水温平均]
28.0℃ 平年よりやや高め
[表層塩分平均]
23.7 平年より低め
[表層DO平均]
8.6 平年よりやや高め
[透明度平均]
5.6m 平年よりやや高め
(平年値は平成元〜23年の7月平均値)

[2] 今後の赤潮発生の予想
 今回の調査では,有害プランクトンのうちシャトネラ属,ヘテロシグマ アカシオ,セラチウム属が確認され,特にシャトネラ属は広い範囲で確認されており,今後の細胞数の推移に注意が必要です。
 水温は平年よりやや高めで,まとまった降雨により,海域の塩分は低下しており,栄養塩が供給されたものと思われます。現在,競合種の珪藻類は湾奥部で少ない状況であり,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性があります。
 各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されるとともに,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。



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