2012.7.15

八代海

[1] 7月15日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
   全調査点において有害種による着色域は確認されませんでした。
   有害種については,薄井,御所浦,及び各調査定点の表層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,元ノ尻瀬戸)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャトネラ属を最高0.007cells/ml,コックロディニウムを最高0.008cells/ml確認しました。珪藻類については,南部で多く,北部で少ない状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの0m層の細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000
脇崎柱状採水 0.000
御所浦 0.000
薄井 0.000
脇崎 0.000
桂島西 0.000
伊唐島東 0.000(0.004)
八代海南部中央 0.005(0.002)
桂島東 0.000
幣串 0.000
柏栗沖 0.001
獅子島〜出水の中央 0.007(0.008)
出水沖 0.004
元ノ尻瀬戸 0.000
獅子島〜水俣の中央 0.000
水俣沖 0.000

(2) 海 況
   表層水温は八代海全域で23.8〜25.3℃で平年同時期よりやや低め,塩分は27.0〜30.7,透明度は5.0〜12.0mでともに平年よりやや低めとなっています。

[表層水温平均]
24.4℃ 平年比-1.5℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
29.3  平年比-1.2 平年よりやや低め
[表層DO平均]
7.4mg/l   平年比+0.1mg/l 平年並み
[透明度平均]
7.3m 平年比-0.9m 平年よりやや低め

※平年値:H1〜H23年の7月の平均値

[2] 今後の赤潮発生の予想 
   今回の調査では,有害種のシャトネラ属及びコックロディニウムが確認されました。水温は平年よりやや低めで,これまでのまとまった降雨により,栄養塩が供給されたものと思われます。現在は競合する珪藻類が南部で多く,北部で少ない状況であり,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
   今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。


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