2012.7.10
八代海
[1] 7月9日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
全調査点において有害種による着色域は確認されませんでした。
有害種については,薄井,御所浦,脇崎の表層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,元ノ尻瀬戸)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャトネラ属及びコックロディニウムは確認されませんでした。なお通常検鏡でヘテロシグマ アカシオを1cell/ml(水俣沖0m層),セラチウム属を最高233cells/ml確認(桂島東0m層)しました。珪藻類については,全域で非常に多い状況でした。
※数字はシャトネラ属の0m層の細胞数(cells/ml)
〈濃縮検鏡1000倍〉
脇崎 0.000
御所浦 0.000
薄井 0.000
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000
脇崎柱状採水 0.000
(2) 海 況
表層水温は八代海全域で24.9〜26.5℃で平年同時期並み,塩分は20.5〜28.3,透明度は3.0〜4.5mでともに平年より低めとなっています。
[表層水温平均]
25.4℃ 平年比-0.5℃ 平年並み
[表層塩分平均]
24.7 平年比-5.8 平年より低め
[表層DO平均]
9.1mg/l 平年比+1.8mg/l 平年よりやや高め
[透明度平均]
4.0m 平年比-4.2m 平年より低め
※平年値:H1〜H23年の7月の平均値
[2] 今後の赤潮発生の予想
今回の調査では,有害種のシャトネラ属及びコックロディニウムは確認されませんでした。水温は平年並みで,これまでのまとまった降雨により,栄養塩が供給されたものと思われます。現在は競合する珪藻類が非常に多い状況ですが,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。