2012.7.4

八代海

[1] 7月3日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 本日は時化のため八代海東部は調査できませんでしたが,調査海域において有害種による着色域は確認されませんでした。
 有害種については,薄井,御所浦,脇崎の表層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,元ノ尻瀬戸)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャトネラ属は確認されませんでしたが,コックロディニウムを0.004cells/ml確認しました。
 珪藻類については,脇崎が多いが他は少ない状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの0m層の細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
(水技センター)
脇崎 0.000
御所浦 0.000(0.004)
薄井 0.000
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000
脇崎柱状採水 0.000

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で22.1〜22.7℃で平年同時期より低め,塩分は29.5〜31.6で平年並み,透明度は6.0〜12.0mで平年よりやや高めとなっています。

[表層水温平均]
22.5℃ 平年比-3.4℃ 平年より低め
[表層塩分平均]
30.4  平年比-0.1 平年並み
[表層DO平均]
6.8mg/l   平年比-0.5mg/l 平年並み
[透明度平均]
8.8m 平年比+0.6m 平年よりやや高め

※( )はH1〜H23年の7月の平均値(同平年値)

[2] 今後の赤潮発生の予想 
 今回の調査では,有害種のコックロディニウムが,濃縮検鏡調査で確認されました。水温は平年より低めですが,これまでのまとまった降雨により,栄養塩が供給されたものと思われます。現在は競合する珪藻類は少ない状況で,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。


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