2012.6.27

八代海

[1] 6月26日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 全調査点において有害種による着色域は確認されませんでした。
 有害種については,薄井,御所浦,脇崎の表層及び底層,小島元,田竹,浜漉の表層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,元ノ尻瀬戸)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,シャトネラ属を最高0.002cells/ml,コックロディニウムを最高0.006cells/ml確認しました。
 珪藻類については,全域で非常に多い状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの0m,B-1m層の細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
(水技センター)
脇崎 0.002,0.000(0.004,0.000)
御所浦 0.001,0.000
薄井 0.002,0.000(0.001,0.000)
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.000
脇崎柱状採水 0.001(0.006)
(北さつま漁協)
田竹 0.000,−
浜漉 0.000,−
小島元 0.000,−

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で21.8〜23.2℃で平年同時期並み,まとまった降雨による影響で,塩分は18.1〜30.7,透明度は2.0〜6.5mでともに平年より低めとなっています。

[表層水温平均]
22.5℃ 平年比±0.0℃ 平年並み
[表層塩分平均]
26.1  平年比-5.7 低め
[表層DO平均]
8.1   平年比+0.9 平年やや高め
[透明度平均]
4.4m 平年比-4.5m 低め

※( )はH13〜H23年の6月の平均値(同平年値)

[2] 今後の赤潮発生の予想 
 今回の調査では,有害種のシャトネラ属とコックロディニウムが,濃縮検鏡調査で確認されました。水温は平年並みで,まとまった降雨により,海域の塩分は低下し,栄養塩が供給されたものと思われます。現在は競合する珪藻類は非常に多い状況ですが,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。


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