2012.6.25

八代海

[1] 6月22日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 八代海北部から東部にかけて,降雨による濁りが確認されました。
 有害種については,薄井,御所浦,脇崎の表層及び底層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,元ノ尻瀬戸)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡したところ,元ノ尻瀬戸の柱状採水からシャトネラ属を0.001cells/ml確しました。なおコックロディニウムは確認されませんでした。
 珪藻類については,全体的に多い傾向がみられました。

数字はシャトネラ属の,0m,B-1m層の細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
脇崎 0.000,0.000
御所浦 0.000,0.000
薄井 0.000,0.000
元ノ尻瀬戸柱状採水 0.001
脇崎柱状採水 0.000

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で21.3〜22.7℃で平年同時期より−0.5℃と平年並み,まとまった降雨の影響で,塩分は13.7〜 30.7,透明度は1.0〜6.0mでともに平年より低めとなっています。

[表層水温平均]
22.0℃ 平年比-0.5℃ 平年並み
[表層塩分平均]
27.5  平年比-4.3 低め
[表層DO平均]
7.5   平年比+0.3 平年並み
[透明度平均]
4.0m 平年比-4.9m 低め

※( )はH13〜H23年の6月の平均値(同平年値)

[2] 今後の赤潮発生の予想 
 有害種のシャトネラ属が,当所の濃縮検鏡調査で初めて確認されました。現在の水温は平年並みで,まとまった降雨により,海域の塩分は低下し,栄養塩が供給されたものと思われます。現在は競合する珪藻類は多い状況ですが,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。

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