2012.6.8


[1]6月7日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 調査全域で,有害種による着色域は確認されませんでした。
有害種については,セラチウム属が1〜39cells/ml,コックロディニウム ポリクリコイデスが1cell/ml確されました。珪藻類は,湾奥部は少なく,湾央部はやや多い状況でした。

数字はセラチウム属の0,10m層での細胞数合計(cells/ml)

牛根麓 17,17
牛根境 1,8
福山沖 2,20
湾奥中央 2,0
桜島古河良沖 11,23
隼人沖 21,21
重富沖 10,39
竜ヶ水沖 19,27
桜島赤生原沖 34,17
海潟沖 11,4
桜島観音崎沖 17,29
永田川沖 22,5

(2) 海 況
 表層水温は湾央部で22.7〜23.0℃,湾奥部で21.2〜22.1℃と平年同時期よりやや低め,塩分は32.9〜34.1で平年同時期よりやや高め,透明度は6.0〜12.0mで平年同時期より高めとなっています。

[表層水温平均]
22.0℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
33.4 平年よりやや高め
[表層DO平均]
7.3 平年よりやや低め
[透明度平均]
9.0m 平年より高め
(平年値は平成元〜23年の6月平均値)

[2] 今後の赤潮発生の予想

 鹿児島湾は,水温の上昇に伴い,プランクトンの増殖が活発になる赤潮シーズンに入っています。今回の調査では,前回に引き続き有害プランクトンのうちセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が全域で確認されました。細胞数は多いところで39cells/ml(10m層)を確認しており,今後の細胞数の推移に注意が必要です。現在,競合種の珪藻類は湾奥部は少ない状況であり,今後の海域の状況によっては,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されるとともに,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。


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