2012.6.6

八代海

[1] 6月5日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 全調査点において着色域は確認されませんでした。
 有害種については,薄井,獅子島〜御所浦島,御所浦の表層及び底層,小島元,田竹,浜漉,茅屋港内の表層,0〜10m層の柱状採水(脇崎,獅子島〜御所浦島)のそれぞれ海水1Lを1000倍に濃縮して検鏡しましたが,シャトネラ属およびコックロディニウムは確認されませんでした。
 珪藻類については,全体的にやや多い傾向がみられました。

数字はシャトネラ属の0m,B-1m層の細胞数(cells/ml)

〈濃縮検鏡1000倍〉
(水技センター)
獅子島〜御所浦島 0.000,0.000
御所浦 0.000,0.000
薄井 0.000,0.000
獅子島〜御所浦島柱状採水 0.000,−
脇崎柱状採水 0.000,−
(北さつま漁協)
田竹 0.000,−
浜漉 0.000,−
小島元 0.000,−
茅屋港 0.000,−

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で20.0〜20.7℃で平年同時期より−2.3℃とやや低め,塩分は33.4〜 33.9で平年よりやや高め,透明度は8.0〜11.0mで平年よりやや高めとなっています。

[表層水温平均]
20.2℃ 平年比-2.3℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
33.6  平年比+1.8 やや高め
[表層DO平均]
7.3   平年比+0.1 平年並み
[透明度平均]
9.7m 平年比+0.8m やや高め

※( )はH13〜H23年の6月の平均値(同平年値)

[2] 今後の赤潮発生の予想 
 当所の調査では,シャトネラ属やコックロディニウムといった有害種は,今のところ,鹿児島大学委託分を含め,濃縮検鏡でも確認されていません。現在の水温は平年より低く,また競合する珪藻類がやや多い状況であり,有害種が増殖しにくい状況と思われますが,5月25日の東町漁協調査でシャトネラ属が初認され(0.001〜0.002cells/ml),28日には熊本県調査でも確認されている(1.3cells/ml)ので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。


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