2012.5.22

[1]5月22日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 調査海域で,有害種による着色域は確認されませんでした。
 有害種については,調査海域全域でセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が表層及び10m層で1〜57cells/ml確認され,細胞数は前回調査時(5/8)とほぼ同じでした。
 珪藻類は全体的に少ない状況でした。

数字はセラチウム属の0,10m層での細胞数合計(cells/ml)

牛根麓 28,57
牛根境 32,30
福山沖 28,51
湾奥中央 27,21
桜島古河良沖 18,25
隼人沖 25,40
重富沖 14,27
竜ヶ水沖 17,18
桜島赤生原沖 9,12
海潟沖 3,1
桜島観音崎沖 4,2
永田川沖 5,4

(2) 海 況
 表層水温は湾央部で20.4〜21.1℃,湾奥部で19.8〜20.8℃と平年同時期並,塩分は  33.1〜34.7で平年同時期よりやや高め,透明度は7.0〜12.0mで平年同時期より高めとなっています。

[表層水温平均]
20.3℃ 平年並み
[表層塩分平均]
33.8 平年よりやや高め
[表層DO平均]
7.5 平年よりやや低め
[透明度平均]
9.7m 平年より高め
(平年値は平成元〜23年の5月平均値)

[2] 今後の赤潮発生の予想

 鹿児島湾は,水温の上昇に伴い,プランクトンの増殖が活発になる赤潮シーズンに入っています。今回の調査では,前回に引き続き有害プランクトンのうちセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が全域で確認されました。細胞数は多いところで57cells/ml(10m層)を確認しており,今後の細胞数の推移に注意が必要です。
 現在,競合種の珪藻類は全体的に少ない状況であり,今後の海域の状況によっては,有害種が増加する可能性がありますので,注意が必要です。
 各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されると共に,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。


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