2012.5.8

[1]5月8日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 調査海域で,有害種による着色域は確認されませんでしたが,無害種の夜光虫(ノクチルカ シンチランス)による着色域が確認されました。
 有害種については,調査海域全域でセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が表層及び10m層で3〜66cells/ml確認され,細胞数は前回調査時(4/23)よりやや減少しています。その他, 1ヶ所の10m層で,ヘテロシグマ アカシオを1cell/ml確認しました。
 表層で夜光虫(ノクチルカ シンチランス)が広範囲に見られ,また珪藻類は全体的にやや多い状況でした。

数字はセラチウム属の0,10m層での細胞数合計(cells/ml)
( )内数字はヘテロシグマ アカシオの0,10m層での細胞数(cells/ml)

牛根麓 44,31
牛根境 66,30
福山沖 48,43
湾奥中央 15,4
桜島古河良沖 4,4
隼人沖 57,20
重富沖 22,25
竜ヶ水沖 13,32
桜島赤生原沖 0,4(0,1)
海潟沖 23,0
桜島観音崎沖 6,1
永田川沖 3,12

(2) 海 況
 表層水温は湾央部で20.9〜22.0℃,湾奥部で19.1〜20.6℃と平年同時期並,塩分は 31.4〜34.2で平年同時期並,透明度は5.0〜9.0mで平年よりやや高めとなっています。

[表層水温平均]
20.3℃ 平年並み
[表層塩分平均]
32.8 平年並み
[表層DO平均]
7.1 平年並み
[透明度平均]
7.4m 平年よりやや高め
(平年値は平成1〜23年の5月平均値)

[2] 今後の赤潮発生の予想

 鹿児島湾は,水温の上昇に伴い,プランクトンの増殖が活発になる赤潮シーズンに入っています。今回の調査では,前回に引き続き有害プランクトンのうちセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が全域で確認されました。細胞数は多いところで66cells/ml(表層)を確認しており,今後の細胞数の推移に注意が必要です。
 その他の有害種では,ヘテロシグマ アカシオを1ヶ所で1cell/ml確認しました。現在,競合種の珪藻類は全体的にやや多い状況ですが,今後の海域の状況によっては,有害種が増加しやすい環境になる可能性がありますので,注意が必要です。
 各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されると共に,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。


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