2012.4.24

[1]4月23日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 調査海域で,有害種による着色域は確認されませんでした。
 有害種については,調査海域全域でセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が表層及び10m層で確認されました。細胞数は1〜106cells/ml(セラチウム属の合計)で,前回調査時(4/10)より増加しています。その他,2ヶ所の表層で,ヘテロシグマ アカシオを各1cell/ml確認しました。
 表層で夜光虫(ノクチルカ シンチランス)が広範囲に見られ,また珪藻類は全体的に多い状況でした。

数字はセラチウム属の0,10m層での細胞数合計(cells/ml)
( )内数字はヘテロシグマ アカシオの0,10m層での細胞数(cells/ml)

牛根麓 11,79
牛根境 0,95
福山沖 1,9
湾奥中央 1,42
桜島古河良沖 5,25
隼人沖 0,23(1,0)
重富沖 2,106(1,0)
竜ヶ水沖 1,47
桜島赤生原沖 2,6
海潟沖 0,0
桜島観音崎沖 1,1
永田川沖 3,7

(2) 海 況
 表層水温は湾央部で17.9〜19.8℃,湾奥部で17.1〜18.5℃と平年同時期並,塩分は 31.7〜34.3,透明度は6.0〜10.0mでともに平年同時期並となっています。

[表層水温平均]
18.0℃ 平年並み
[表層塩分平均]
33.0 平年並み
[表層DO平均]
8.4 平年並み
[透明度平均]
7.4m 平年並み
(平年値は平成1〜23年の4月平均値)

[2] 今後の赤潮発生の予想
 鹿児島湾は,水温の上昇に伴い,プランクトンの増殖が活発になる赤潮シーズンに入っています。今回の調査では,前回に引き続き有害プランクトンのうちセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が全域で確認されました。細胞数は多いところで106cells/ml(10m層)を確認しており,今後の細胞数の推移に注意が必要です
 その他の有害種では,ヘテロシグマ アカシオを2ヶ所で各1cell/ml確認しました。現在,競合種の珪藻類は全体的に多い状況ですが,今後の海域の状況によっては,有害種が増加しやすい環境になる可能性がありますので,注意が必要です。
 各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されると共に,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。


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