2011.12.1ミリオネクタ
[1]11月30日の鹿児島湾調査結果
30日,西桜島漁協,鹿児島海上保安部等より,鹿児島湾内に赤褐色を呈する着色域があるとの情報がありました。西桜島漁協の検鏡によると,原因種は繊毛虫類のミリオネクタ ルブラ(旧名称:メソディニウム ルブラム)とのことでした。
鹿児島海上保安部が谷山港沖で採水した表層海水を当方が検鏡したところ,同種を6000cells/ml確認しました。なお当場前(指宿市岩本)の海水中にも,6800cells/ml確認されました。
聞き取りによると,着色域は2〜3日前からみられ,桜島の新島付近,牛根漁協管内,竜ヶ水や谷山沖,指宿市岩本沖といった,桜島の湾奥側から鹿児島湾の西岸側の広い範囲で,パッチ状やまだら状にみられ,場所によっては堤防等に吹き寄せられ,濃い着色域がみられています。
[2] 今後の赤潮発生の予想
検鏡した結果,海水中には珪藻類はほとんどみられず,ミリオネクタ ルブラが優先している状況でした。水温は21℃〜22℃後半と平年より高めです。
ミリオネクタ ルブラは基本的に無害で,養殖魚類のへい死事例はみられませんが,風向き等によっては吹き寄せられ,細胞密度が高くなることが予想されます。また同種は冬場の低水温期にも発生事例がありますので,今後も注意が必要です。
各漁協・養殖業者におかれましては,養殖魚の餌食いの状況に注視されるとともに,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,細胞数や漁場環境の把握に努めて下さい。