2011.10.13

八代海

[1] 10月12日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況

 調査全域で,有害種による着色域はみられませんでした。
 有害種については,脇崎,伊唐島東岸,獅子島〜御所浦島,八代海中央,出水沖の表層を採水した海水1Lを濃縮(200倍)して検鏡したところ,シャトネラ属を0.005〜0.09cells/ml確認しました。さらに通常検鏡で,シャトネラ属を桂島東側5m層で0.33cells/ml,獅子島〜御所浦島10m層で0.4cells/ml確認しました。なおコックロディニウム ポリクリコイデスは確認されませんでした。また,珪藻類は,全体的に多い状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの表層の細胞数(cells/ml)

(濃縮検鏡 200倍)
伊唐島東岸表層 0.055(0)
八代海中央表層 0.09(0)
出水沖表層 0.005(0)
獅子島〜御所浦島表層 0.025(0)
脇崎表層 0.07(0)

(通常検鏡)
桂島東側5m層 0.33(0)
獅子島〜御所浦島10m層 0.4(0)

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で23.8〜24.3℃で平年同時期並み,塩分は33.0〜33.6で平年同時期並み,透明度は5.5〜7.0mでやや低めとなっています。

[表層水温平均]
24.2℃ 平年比 -0.5℃ 平年並み
[表層塩分平均]
33.3  平年比 +0.5 平年並み
[表層DO平均]
7.0   平年比 +0.5 平年並み
[透明度平均]
6.5m 平年比 -1.6m 平年よりやや低め


[2] 今後の赤潮発生の予想
 有害種は,シャトネラ属が6調査点で確認されました。今回確認されたシャトネラ属は1cell/ml以下と低レベルですが,濃縮検鏡での最高細胞数の0.09cells/mlは,8/23調査時に確認された0.095cells/mlに次ぐ数値です。また,通常検鏡で同種が確認される調査点もあります。現在のところ,競合種である珪藻類は,全体的に多い状況ですが,シャトネラ属が低レベルながら確認されていますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。



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