2011.10.5貧酸素
鹿児島湾貧酸素情報
[1]10月4日の調査結果
(1) 貧酸素の状況
鹿児島湾奥部で4.0mg/lを下回る貧酸素水塊は確認されませんでしたが,依然として,水深15m以深では溶存酸素量が低い状況が継続しています。
※数字は水深0m,10m,15m,20m,25m,30m層での溶存酸素量(mg/L)
牛根麓 6.2,4.6,4.6,4.5,4.1,4.6
牛根境 5.9,5.4,4.8,4.6,4.4,4.4
福山沖 6.0,5.7,5.0,4.4,4.4,4.5
隼人沖 6.9,6.1,5.9,4.1,4.1,4.0
重富沖 7.1,7.0,4.2,4.1,4.6,4.1
竜ヶ水 6.8,6.4,5.5,5.2,4.5,4.6
赤生原 6.7,6.2,6.1,6.1,6.0,5.8
古河良 6.6,6.3,5.1,5.0,5.2,5.2
湾中央 6.7,6.3,5.4,4.2,4.2,4.2
(2) 赤潮生物の出現状況
全体的に珪藻類は少ない状況でした。。
また有害種は,セラチウム属が1〜3cells/ml確認されたほかは,ヘテロシグマ アカシオ,シャトネラ マリーナ等は確認されませんでした。
(3) 海 況
表層水温は湾央部で24.6〜25.5℃,湾奥部で24.1〜24.8℃と平年同時期並み,また, 塩分については32.2〜34.0で平年同時期よりやや高め,透明度は7.0〜11.0mで平年同時期よりやや高めとなっています。
水 温:平均 24.6℃ 湾奥部 24.5℃ 湾央部 25.2℃ 平年(平均25.0℃)同時期並み
塩 分:平均 33.0 湾奥部 32.7 湾央 33.7 平年同時期(平均32.1)よりやや高め
透明度:平均 8.4m 湾奥部 7.8m 湾央部 10.3m 平年同時期(平均7.0m)よりやや高め
(平年値は平成1〜22年の10月の平均値)
[2] 今後の貧酸素水塊の予想
湾奥部の表層平均水温は24.5℃まで低下しており,表層と中層域(水深15〜30m)との水温が逆転しつつありますが,依然として,水深15m以深では,溶存酸素量の少ない状況が続いています。
今後,表層水温の降下によって起こる鉛直循環が活発となる10月下旬までは,気象,海象によっては,浅い水深層で急に酸素濃度が低下するおそれがあり,注意が必要です。
(注意事項)
・給餌の際,魚群が遊泳すると,貧酸素層 の水が表層まで浮き上がるおそれがあります。
・過去,溶存酸素が4.0mg/lを下回った状況での給餌で,へい死事故が発生した事例がありますので,注意が必要です。
・給餌の前には,必ず溶存酸 素量を確認し,餌食いの状況を見て,無理な給餌を避けた方がよいでしょう。