2011.9.8
八代海
[1] 9月7日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
調査全域で，有害種による着色域はみられませんでした。
有害種については，伊唐島東岸，八代海中央，出水沖の表層の採水，小島元，田竹，浜漉の表層及び5m層の採水と，脇崎，獅子島〜御所浦島の0〜10m層の柱状採水の海水1Lを濃縮（200倍）して検鏡したところ，シャトネラ属を0.005〜0.02cells/ml確認しました（八代海中央，小島元，田竹，浜漉）。なおコックロディニウム ポリクリコイデスは確認されませんでした。また，珪藻類は，獅子島〜御所浦島及び出水沖で多かった他は，全体的に少ない状況でした。
※数字はｼｬﾄﾈﾗ属の，（ ）内数字はｺｯｸﾛﾃﾞｨﾆｳﾑの表層の細胞数(cells/ml)
（濃縮検鏡 200倍）
伊唐島東岸表層 0（0）
八代海中央表層 0.01（0）
出水沖表層 0（0）
獅子島〜御所浦島柱状採水 0（0）
脇崎柱状採水 0（0）
小島元 0.005，0.02（表層，5m層）
田竹 0.015，0.015
浜漉 0.005，0
(2) 海 況
表層水温は八代海全域で26.7〜27.4℃で平年同時期よりやや低め，塩分は31.3〜32.3，でやや高め，透明度は4.0〜8.0mでやや低めとなっています。
[表層水温平均]
26.9℃ 平年比 -0.7℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
32.1 平年比 +0.6 平年よりやや高め
[表層DO平均]
7.0 平年比 ±0.0 平年並み
[透明度平均]
6.7m 平年比 -1.2m 平年よりやや低め
[2] 今後の赤潮発生の予想
有害種は，シャトネラ属が４調査点で確認されました。前回調査時(9/1)と比べて，シャトネラ属の増殖傾向はみられていません。また，競合種である珪藻類は，全体的に少ない状況でした。表層水温は26℃台まで低下しており，塩分は前回調査時(9/1)と比べて上昇傾向にあります。今回確認されたシャトネラ属は1cell/ml以下と低レベルですが，9月1日時点での海域の栄養塩は，中・底層で窒素，リンともに多い状況であり，今後の気象，海域の状況によっては，シャトネラ属が増殖する可能性がありますので，注意が必要です。
今後とも，定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。