2011.9.2

八代海

[1] 9月1日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況

 調査全域で,有害種による着色域はみられませんでした。
 有害種については,伊唐島東岸,八代海中央,出水沖の表層の採水,小島元,田竹,浜漉の表層及び5m層の採水と,脇崎,獅子島〜御所浦島の0〜10m層の柱状採水の海水1Lを濃縮(200倍)して検鏡したところ,シャトネラ属を0.005〜0.015cells/ml確認しました(脇崎,伊唐島東岸,八代海中央,出水沖)。なおコックロディニウム ポリクリコイデスは確認されませんでした。また,珪藻類は,長島東岸で少ない他は,全体的に多い状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの表層の細胞数(cells/ml)

(濃縮検鏡 200倍)
伊唐島東岸表層 0.015(0)
八代海中央表層 0.01(0)
出水沖表層 0.015(0)
獅子島〜御所浦島柱状採水 0(0)
脇崎柱状採水 0.005(0)

小島元 0,0(表層,5m層)
田竹 0,0
浜漉 0,0

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で26.5〜28.9℃で平年同時期並み,塩分は30.4〜32.1,透明度は6.0〜10.0mでともに平年並みなっています。

[表層水温平均]
27.9℃ 平年比 +0.3℃ 平年並み
[表層塩分平均]
31.1  平年比 -0.4 平年並み
[表層DO平均]
6.9   平年比 -0.1 平年並み
[透明度平均]
8.3m 平年比 +0.4m 平年並み

[2] 今後の赤潮発生の予想
 有害種は,シャトネラ属が4調査点で確認されました。現在のところ,シャトネラ属の増殖傾向はみられていません。また,競合種である珪藻類は,全体的に多い状況でした。表層水温,塩分はともに平年並みでした。今回確認されたシャトネラ属は1cell/ml以下と低レベルですが,8月28日時点での海域の栄養塩は,窒素,リンともに多い状況であり,今後の気象,海域の状況によっては,シャトネラ属が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。




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