2011.8.26

八代海

[1] 8月26日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況

 調査全域で,有害種による着色域はみられませんでした。
 有害種については,全調査点の0〜10m層の柱状採水,伊唐島東岸,八代海中央,出水沖の表層の採水と,小島元,田竹,浜漉の表層及び5m層の採水の海水1Lを濃縮(200倍)して検鏡したところ,シャトネラ属を0.005〜0.01cells/ml(桂島西,八代海南部中央,伊唐島東,柏栗,小島元,田竹,浜漉),コックロディニウム ポリクリコイデスを0.015cells/ml(田竹)確認しました。また,珪藻類は,全域でやや多い状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの細胞数(cells/ml)

(濃縮検鏡 200倍)
◎0〜10m層の柱状採水
桂島西 0.005(0)
八代海南部中央 0.005(0)
伊唐島東 0.005(0)
柏栗 0.01(0)
◎表層,5m層
小島元 0,0.01(0,0)
田竹 0.01,0(0.015,0)
浜漉 0.01,0.005(0,0)

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で27.3〜28.1℃で平年同時期と同値,塩分は23.4〜 29.8で平年より低め,透明度は3.0〜10.0mで平年よりやや低めとなっています。

[表層水温平均]
27.6℃ 平年比 ±0.0℃ 平年並み
[表層塩分平均]
27.7  平年比 -3.4 平年より低め
[表層DO平均]
7.3   平年比 +0.2 平年並み
[透明度平均]
7.0m 平年比-1.2m 平年よりやや低め

[2] 今後の赤潮発生の予想
 有害種は,シャトネラ属が7調査点,コックロディニウムが1調査点で確認されました。現在のところ,シャトネラ属の増殖傾向はみられていません。また,競合種である珪藻類は,全域でやや多い状況でした。表層水温は平年並み,塩分は低い状況でした。今回確認されたシャトネラ属は1cell/ml以下と低レベルですが,8月23日時点での海域の栄養塩は,表層のリンが減少しているほかは,多い状況であり,今後の気象,海域の状況によってはシャトネラ属が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい

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