2011.8.24

八代海

[1] 8月23日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況

 調査全域で,有害種による着色域はみられませんでした。
 有害種については,伊唐島東岸,八代海中央,出水沖の表層の採水,小島元,田竹,浜漉の表層及び5m層の採水と,脇崎,獅子島〜御所浦島の0〜10m層の柱状採水の海水1Lを濃縮(200倍)して検鏡したところ,シャトネラ属を0.005〜0.095cells/ml確認しました(八代海中央,出水沖,浜漉)。また,出水沖では,通常検鏡で本種を1cell/ml確認しました。なおコックロディニウム ポリクリコイデスは確認されませんでした。また,珪藻類は,全域で少ない状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの表層の細胞数(cells/ml)

(濃縮検鏡 200倍)
伊唐島東岸表層 0(0)
八代海中央表層 0.095(0)
出水沖表層 0.025(0)
獅子島〜御所浦島柱状採水 0(0)
脇崎柱状採水 0(0)

小島元 0,0(表層,5m層)
田竹 0,0
浜漉 0.005,0

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で26.2〜27.5℃で平年同時期より−0.8℃とやや低め,塩分は25.8〜 32.2で平年よりやや低め,透明度は3.5〜8.0mで平年よりやや低めとなっています。

[表層水温平均]
26.8℃ 平年比 -0.8℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
29.7  平年比 -1.4 平年よりやや低め
[表層DO平均]
7.0   平年比 -0.1 平年並み
[透明度平均]
5.7m 平年比-2.5m 平年よりやや低め
 
[2] 今後の赤潮発生の予想

 有害種は,シャトネラ属が3調査点で確認されました。また,競合種である珪藻類は,全域で少ない状況でした。表層水温は平年より低く,また最近の大量降雨の影響により,塩分が低い状況でした。今回確認されたシャトネラ属は1cell/ml以下と低レベルですが,8月16日時点で,海域の栄養塩量が多いことが確認されており,今後の気象,海域の状況によってはシャトネラ属が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。


トップへ
戻る