2011.8.11
八代海
[1] 8月10日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
調査全域で,有害種による着色域はみられませんでした。
有害種については,伊唐島東岸,八代海中央,出水沖,田竹,浜漉,小島元の表層及び5m層の採水と,脇崎,獅子島〜御所浦島の0〜10m層の柱状採水の海水1Lを濃縮(200倍)して検鏡したところ,シャトネラ属,コックロディニウム ポリクリコイデスとも確認されませんでした。
出水〜桂島付近で微細藻類が多かったほかは,珪藻類は,全域でほとんどみられない状況でした。
※数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの0,5m層の細胞数(cells/ml)
(濃縮検鏡 200倍)
伊唐島東岸表層 0(0)
八代海中央表層 0(0)
出水沖表層 0(0)
田竹 0,0(0,0)
浜漉 0,0(0,0)
小島元 0,0(0,0)
獅子島〜御所浦島柱状採水 0(0)
脇崎柱状採水 0(0)
(2) 海 況
表層水温は八代海全域で25.9〜28.5℃で平年同時期より−0.2℃と平年並み,塩分は31.7〜 32.3で平年よりやや高め,透明度は7.0〜17.0mで平年より高めとなっています。
[表層水温平均]
27.4℃ 平年比 -0.2℃ 平年並み
[表層塩分平均]
32.0 平年比 +0.9 平年よりやや高め
[表層DO平均]
6.7 平年比 -0.4 平年並み
[透明度平均]
13.0m 平年比+4.8m 平年より高め
[2] 今後の赤潮発生の予想
有害種は,シャトネラ属,コックロディニウム ポリクリコイデスとも確認されませんでした。また一部海域で微細藻類がみられたほかは,競合種である珪藻類は,全域でほとんどみられない状況でした。前回調査時(8/3)には,珪藻類は一定量存在していたものの,水深10m以浅の栄養塩は枯渇しており,その後まとまった降雨による栄養塩の供給もなかったことが,今回,珪藻類が衰退していた要因と思われました。今後,大潮時の鉛直循環により,下層の栄養塩が表層まで拡散することが予想されますが,今後の気象,海域の状況によっては有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。