2011.8.4

八代海

[1] 8月3日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況

 調査全域で,有害種による着色域はみられませんでした。
 有害種については,伊唐島東岸,八代海中央,出水沖,田竹,浜漉,小島元の表層及び5m層の採水と,脇崎,獅子島〜御所浦島の0〜10m層の柱状採水の海水1Lを濃縮(200倍)して検鏡したところ,シャトネラ属,コックロディニウム ポリクリコイデスとも確認されませんでした。
 珪藻類は,全体的にやや多い状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの0,5m層の細胞数(cells/ml)

(濃縮検鏡 200倍)
伊唐島東岸表層 0(0)
八代海中央表層 0(0)
出水沖表層 0(0)
田竹 0,0(0,0)
浜漉 0,0(0,0)
小島元  0,0(0,0)
獅子島〜御所浦島柱状採水 0(0)
脇崎柱状採水 0(0)

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で25.2〜28.2℃で平年同時期より−1.0℃とやや低め,塩分は30.1〜 31.5で平年並み,透明度は6.0〜12.0mで平年よりやや高めとなっています。

[表層水温平均]
26.6℃ 平年比-1.0℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
30.9  平年比-0.2 平年並み
[表層DO平均]
7.2   平年比+0. 平年並み
[透明度平均]
9.4m 平年比+1.2m 平年よりやや高め

[2] 今後の赤潮発生の予想

 有害種は,シャトネラ属,コックロディニウム ポリクリコイデスとも確認されませんでした。また競合種である珪藻類は,全体的にやや多い状況でした。7/25には,水深10m以浅の栄養塩は枯渇していましたが,7/30には回復がみられています。これは大潮時の鉛直循環により下層の栄養塩が拡散したと考えられます。表層付近の栄養塩の回復が,現在,珪藻類が一定量存在している要因の一つと思われました。しかしながら,今後の海域の状況によっては珪藻類が衰退したり,有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。

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