2011.7.22

[1] 7月21日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況

 獅子島東岸,脇崎で無害種であるミリオネクタ ルブラ(旧称:メソディニウム ルブラム)による着色を確認しました。細胞数は最大2800cells/mlでした(脇崎)。
 有害種については,伊唐島東岸,八代海中央,出水沖,田竹,浜漉,小島元の表層及び5m層の採水と,脇崎,獅子島〜御所浦島の0〜10m層の柱状採水の海水1Lを濃縮(200倍)して検鏡したところ,シャトネラ属,コックロディニウム ポリクリコイデスとも確認されませんでした。
 珪藻類については,全体的にやや少ない状況でした。

数字はシャトネラ属の,( )内数字はコックロディニウムの0,5m層の細胞数(cells/ml)

(濃縮検鏡 200倍)
伊唐島東岸表層 0(0)
八代海中央表層 0(0)
出水沖表層 0(0)
田竹 0,0(0,0)
浜漉 0,0(0,0)
小島元  0,0(0,0)
獅子島〜御所浦島柱状採水 0(0)
脇崎柱状採水 0(0)

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で24.3〜25.9℃で平年同時期より−1.1℃とやや低め,塩分は29.8〜 30.4で平年並み,透明度は8.0〜13.0mで平年よりやや高めとなっています。

[表層水温平均]
24.9℃ 平年比-1.1℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
30.1  平年比-0.5 平年並み
[表層DO平均]
7.5   平年比+0.1 平年並み
[透明度平均]
10.6m 平年比+2.5m 平年よりやや高め

※( )はH13〜H22年の7月の平均値(同平年値)

[2] 今後の赤潮発生の予想 
 調査時は北東の風が強く,ミリオネクタ ルブラは風の影響で獅子島東岸や脇崎に着色域を形成したと思われました。同種は全調査点の表層で12〜145cells/ml確認されています。
 有害種は,シャトネラ属,コックロディニウム ポリクリコイデスとも確認されませんでしたが,平均表層水温は24℃台と増殖適水温であり,今後の海域の状況によっては有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。

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