2011.6.29
[1] 6月２８日の調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
22日からみられたスケレトネマ（珪藻類）による赤潮は，本日の調査で終息を確認しました。
有害種については，伊唐島東岸，八代海中央，出水沖，田竹，浜漉，小島元の表層及び5m層の採水と，脇崎，獅子島〜御所浦島の0〜10m層の柱状採水の海水1Lを濃縮して検鏡したところ，シャトネラ属を0.005cells/ml，コックロディニウム ポリクリコイデスを0.02cells/ml確認しました。
珪藻類については，全体的にやや多い状況でした。
※数字はｼｬﾄﾈﾗ属の，（ ）内数字はｺｯｸﾛﾃﾞｨﾆｳﾑの0,5m層の細胞数(cells/ml)
（濃縮検鏡 200倍）
伊唐島東岸表層 0
八代海中央表層 0
出水沖表層 0（0.02）
田竹 0.005，0.005
浜漉 0.005，0
小島元 0，0
獅子島〜御所浦島柱状採水 0
脇崎柱状採水 0
（濃縮検鏡 100倍）
脇崎表層（鹿大実施） 0
薄井表層（鹿大実施） 0
御所浦表層（鹿大実施） 0
(2) 海 況
表層水温は八代海全域で22.8〜25.6℃で平年同時期より＋1.5℃とやや高め，塩分は25.3〜 31.2で降雨の影響で平年より低め，透明度は7.0〜12.0mで平年並みとなっています。
[表層水温平均]
24.2℃ 平年比+1.5℃ 平年よりやや高め
[表層塩分平均]
28.4 平年比-3.7 平年より低め
[表層DO平均]
７.7 平年比-0.1 平年並み
[透明度平均]
9.2m 平年比-0.1m 平年並み
※( )はH13〜H22年の6月の平均値（同平年値）
[2] 今後の赤潮発生の予想
スケレトネマによる赤潮は終息していましたが，全体的に珪藻類がやや多い状況でした。
有害種では，シャトネラ属とコックロディニウム ポリクリコイデスが，少ないですが確認されています。28日には梅雨明けが発表され，平均表層水温は2４℃を超えています。現在，競合種の珪藻類がやや多い状況とはいえ，今後の海域の状況によっては有害種が増殖する可能性がありますので，注意が必要です。
今後とも，定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。