2011.6.24

[1]6月23日の東町漁協による調査結果

 23日の東町漁協の調査によると,八代海の広い範囲で珪藻類のスケレトネマ属による着色を確認しました。同時に降雨の影響による濁りもみられました。
 表層の平均水温は23.1℃で,前回(6/17)比+1.9℃でした。
 表層塩分は大築島南で8を記録したほか,御所浦島採石場以北で約15〜20,東町漁協の養殖漁場付近で29〜31と低い状況でした。
※なおシャトネラ アンティ−カは,同日の1000倍濃縮による検鏡で,沿岸域を中心に0.001〜0.005cells/ml確認されています。

[2] 今後の赤潮発生の予想 
 八代海の熊本県海域でも,21日からスケレトネマ属による着色が確認されており,22日には本県海域まで拡大しました。有明海海域でも各地で同種による赤潮発生が報告されています。スケレトネマ属は基本的に無害で,養殖魚類のへい死事例はみられません。また同種の属する珪藻類は,シャトネラ属等の有害種に対する競合種であり,海域に珪藻類が多いときは,有害種は増えにくいと考えられます。
 ただ現在,降雨の影響で海域の栄養塩類の量は多く,塩分は低くなっています。また水温も高くなってきており,今後の海域の状況次第では,有害種が増加しやすい環境になる可能性がありますので,今後とも注意が必要です。各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されると共に,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。

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