2011.6.21

[1]6月20日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 調査海域で,降雨の影響による濁りを広範囲に確認しました。また,全体的に珪藻類がやや多い状況でした。
 有害種については,調査全域でセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が表層及び10m層で確されました。細胞数は4〜271cells/ml(セラチウム属の合計)で,前回調査時(6/7)より増加して
います。その他,海潟10m層で,シャトネラ マリーナを1cell/ml確認しました。

数字はセラチウム属の0,10m層での細胞数合計(cells/ml)

牛根麓 60,77
牛根境 89,47
福山沖 123,40
湾奥中央 110,54
桜島古河良沖 151,29
隼人沖 9,38
重富沖 85,54
竜ヶ水沖 271,23
桜島赤生原沖 83,25
海潟沖 44,3
桜島観音崎沖 4,9
永田川沖 5,9

(2) 海 況
 表層水温は湾央部で22.9〜23.4℃,湾奥部で22.1〜23.1℃と平年同時期よりやや低め,塩分は17.9〜28.9で平年同時期より低め,透明度は1.0〜7.0mで平年同時期よりやや低めめとなっています。

[表層水温平均]
22.7℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
24.8 平年より低め
[表層DO平均]
8.1 平年並み
[透明度平均]
3.3m 平年よりやや低め
(平年値は平成1〜22年の6月平均値)

[2] 今後の赤潮発生の予想
 今回の調査では,前回に引き続き有害プランクトンのうちセラチウム属(フスス,トリポス,フルカ)が全域で確認されました。細胞数は多いところで271cells/ml(表層)を確認しており,今後の細胞数の推移に注意が必要です。
 その他の有害種では,シャトネラ マリーナを1cell/ml確認しました。現在,競合種の珪藻類はやや多い状況ですが,ここ数日の降雨により,海域の栄養塩が増加していると考えられ,今後の海域の状況によっては,有害種が増加しやすい環境になる可能性がありますので,注意が必要です。各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されると共に,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。
  (次回調査は7月12日を予定)


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