2011.6.14

[1] 6月13日の八代海赤潮調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
  全調査点において有害種による着色域は確認されませんでしたが,獅子島東岸以北や水俣〜出水地先で降雨による濁りを確認しました。
 有害種については,伊唐島東岸,八代海中央,出水沖,田竹,浜漉,小島元の表層及び5m層海水1Lを,濃縮して検鏡したところ,シャトネラ属を0.005〜0.01cells/ml確認しました。0〜10m層の柱状採水の濃縮でも,シャトネラ属が0.02cells/ml確認されています。
 珪藻類については,全体的に少ない状況でした。

数字はシャトネラ属の0,5m層の細胞数(cells/ml)

(濃縮検鏡)
伊唐島東岸表層 0
八代海中央表層 0
出水沖表層 0.01
田竹 0.005,0
浜漉 0.005,0
小島元  0,0
獅子島〜御所浦島柱状採水 0.02
脇崎柱状採水 0
脇崎表層(鹿大実施) 0.01
薄井表層(鹿大実施) 0
御所浦表層(鹿大実施) 0.01

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で20.6〜21.7℃で平年同時期より−1.5℃とやや低め,塩分は18.7〜 33.6で降雨の影響で平年よりやや低め,透明度は1.5〜11.0mで平年より低めとなっています。
[表層水温平均]
21.2℃ 平年比-1.5℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
29.9  平年比-2.2 やや低め
[表層DO平均]
7.3   平年比±0.0 平年並み
[透明度平均]
6.6m 平年比-2.7m 低め

※( )はH13〜H22年の6月の平均値(同平年値)
[2] 今後の赤潮発生の予想 
 有害種は,シャトネラ属が各地で確認されています。細胞数は最大で0.02cells/mlと少ないですが,水温が21℃を超え,競合する珪藻類が少ない状況であり,海域の状況によっては有害種が増殖する可能性がありますので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。

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