2011.6.8

[1]6月7日の調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 調査海域では,全体的に珪藻類が多い状でした。
 有害種については,調査全域でセラチウム属(セラチウムフスス,トリポス,フルカ)が表層及び10m層で確認されました。細胞数は4〜46cells/ml(セラチウム属の合計)で,前回調査時(5/27)より減少しています。その他,シャトネラ マリーナとヘテロシグマ アカシオは確認されませんでした。

数字はセラチウム属の0,10m層での細胞数合計(cells/ml)

牛根麓 28,35
牛根境 20,41
福山沖 13,32
湾奥中央 11,46
桜島古河良沖 22,30
隼人沖 21,17
重富沖 27,29
竜ヶ水沖 9,17
桜島赤生原沖 17,13
海潟沖 14,11
桜島観音崎沖 18,4
永田川沖 5,17

(2) 海 況
 表層水温は湾央部で21.4〜21.7℃,湾奥部で20.7〜21.3℃と平年同時期よりやや低め,塩分は29.5〜33.5で平年同時期よりやや高め,透明度は5.0〜13.0mで平年同時期よりやや高めとなっています。
[表層水温平均]
21.1℃ 平年よりやや低め
[表層塩分平均]
32.1 平年よりやや高め
[表層DO平均]
8.5 平年並み
[透明度平均]
7.9m 平年よりやや高め
(平年値は平成1〜22年の6月平均値)

[2] 今後の赤潮発生の予想
 今回の調査では,前回に引き続き有害プランクトンのうちセラチウム属(セラチウム フスス,トリポス,フルカ)が全域で確認されました。細胞数は多いところで46cells/ml(10m層)とそれほど多くありませんが,今後の細胞数の推移に注意が必要です。
 その他の有害種では,シャトネラ マリーナ,ヘテロシグマ アカシオは確認されませんでした。現在,競合種の珪藻類が多い状況ですが,既に梅雨に入っており,今後の海域の状況によっては有害種が増加しやすい環境になる可能性がありますので,注意が必要です。各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されると共に,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。       (次回調査は6月20日を予定)


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