2011.6.2

[1] 6月1日の八代海赤潮調査結果

(1) 赤潮生物の出現状況
 全調査点において着色域は確認されませんでした。
 有害種については,伊唐島東岸5m層でシャトネラ マリーナを,獅子島〜御所浦島10m層でコックロディニウム ポリクリコイデスを各1cell/ml確認しました。また八代海中央,出水沖,田竹,浜漉の表層及び5m層海水1Lを,100〜200倍lに濃縮して検鏡したところ,コックロディニウムを0.002cells/ml,シャトネラ マリーナを0.01〜0.015cells/ml確認しました。0〜10m層の柱状採水の濃縮でもシャトネラ マリーナが0.005〜0.01cells/ml確認されています。
 珪藻類については,全体的にやや少ない傾向がみられました。

数字はシャトネラ マリーナの0,5m層,( )内数はコックロディニウムの細胞数(cells/ml)

(通常検鏡)
伊唐島東岸5m層 1
獅子島〜御所浦島10m層 (1)
(濃縮検鏡)
八代海中央表層 0.015(0.02)
出水沖表層 0.01
田竹 0.01,0.01
浜漉 0.01,−
獅子島〜御所浦島柱状採水 0.005,−
脇崎柱状採水 0.01,−
脇崎底層(鹿大実施) 0.00
薄井底層(鹿大実施) 0.00
御所浦底層(鹿大実施) 0.00

(2) 海 況
 表層水温は八代海全域で19.4〜20.5℃で平年同時期より−2.9℃と低め,塩分は31.8〜 33.9で平年よりやや高め,透明度は3.5〜10.0mで平年より低めとなっています。
[表層水温平均]
19.8℃ 平年比-2.9℃ 平年より低め
[底層水温]※脇崎,薄井,御所浦
19.0℃〜19.5℃
[表層塩分平均]
33.4  平年比+1.3 やや高め
[表層DO平均]
8.3   平年比+1.0 やや高め
[透明度平均]
6.3m 平年比-3.0m 低め

※( )はH13〜H22年の6月の平均値(同平年値)
[2] 今後の赤潮発生の予想 
 有害種は,コクロディニウムとシャトネラ マリーナが各地で確認されています。今のところ水温が平年より低く,有害種が増殖しにくい状況と思われますが,競合する珪藻類はやや少ない傾向であることや,熊本県海域でもシャトネラ アンティーカが確認されているので,注意が必要です。
 今後とも,定期的な検鏡等により十分な監視を行って下さい。


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