2010.4.7臨時調査

[1]4月6日の鹿児島湾臨時調査結果
(1) 赤潮生物の出現状況
 垂水市居世神沖から福山沖にかけて,うすい着色域が確認されましたが,検鏡の結果,この着色は細胞の大きさが10μm程度の非常に小型な微細藻類による(表層で最大5800cells/ml)ものでした。他の周辺漁協への聞き取りや提供サンプルの検鏡結果から,これらの微細藻類による着色やにごりは,鹿児島湾の湾奥から湾央にかけての広い範囲で認められています。その他,有害種では,セラチウム トリポスを福山沖で1cells/ml確認しました。また,珪藻類はほとんど見られませんでした。
(2) 海 況
 表層で,水温は17.1℃で,平年同時期よりやや低め,また,塩分は33.0で,平年同時期並,溶存酸素量は9.5mg/lで,平年同時期よりやや高め,透明度は2.5〜3.5mで,微細藻類の増殖による影響で,かなり低めとなっています。
水 温 : 平均 17.1℃
塩 分 : 平均  33.0
透明度 : 平均  2.5〜3.5m
溶存酸素量:平均 9.5
(平年値は平成1〜21年4月の平均値)

(3) 今後の予想
 今回の着色は,微細藻類によるもので,のところ養殖魚のへい死等は確認されておりませんが,餌食いの状況が悪いとの情報が寄せられています。今後も風向き等によっては,他地区への流入や,高密度での蝟集等も考えられますので,充分な注意が必要です。
 各漁協・養殖業者におかれましては,餌食いの状況に注視されると共に,定期的に漁場周辺の採水・検鏡を行い,有害プランクトンの有無など漁場環境の把握に努めて下さい。
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